井上雅之 Essays

「ヤキモノつまりは、焼かれて硬くなるもの、形づくられ、加工され、表面処理され、高温加熱されて定着されるもの、その過程全体を素材として用いてる。」これは、僕のものをつくることの根幹となる考えです。まったくの偶然でしたが、ヤキモノのとの出会いは極めて幸運な出来事でした。 回転に合わせて「形」が手の中から現れ、すぐ目の前に存在する。 ロクロを使うことは、ものをつくる喜びをもう一度感じることでした。これが僕にとっての初形(しょけい)です。水が水を呼ぶように、「形」から「形」を生み出し、変容させ続けることが僕の仕事です。